HDD故障の予防

S.M.A.R.T.とは

S.M.A.R.T.とは,Self-Monitoring Analysis and Reporting Technologyの略です。
最近の HDD(ハードディスク)には必ずといって良いほど、この技術が組み込まれています。
この機能が組み込まれたハードディスクでは,読み出し・書き込みエラー率等の情報をハードディスク自身が自分の中に記録しています。
この仕様は,ATA/ATAPI の規格の一つです。
S.M.A.R.T.の仕様はこちら
S.M.A.R.T. Applications Guide for the the ATA and SCSI Interfaces SFF-8055i

S.M.A.R.T.によって蓄積されたデータをモニターすることで,ハードディスクの故障の予兆を知ることができます。故障の確率が高いことが分かったならば,バックアップをとるなどの準備をとることもできます。

しかしながら,Googleが世界中で使用している膨大なHDDについてSMARTのデータと故障の相関関係について調べたところ,SMARTで提示される寿命と故障の間には,あまり相関関係がないことが明らかになっています。
とは言うもののエラーが発生し始めたら,早めにHDDを交換することは必要なようです。
このレポートは,こちら。
Googleのレポート

S.M.A.R.T.データを表示するためのソフトとして有償,無償のものがあります。

【無償のもの】
HDDlife フリーソフト
http://www.hddlife.com/

HDD Health フリーウェア
http://cowscorpion.com/HDD/hddhealth.html

HDD Smart Analyzer フリーソフト
http://www.mijimari.com/


【有償のもの】
SmartHDD Pro ハードディスク診断
http://shop.vector.co.jp/service/catalogue/sr073453/

PowerX Active SMART 2.5
このツールは,2008年4月24日に販売停止になったそうです。


IBMが以前提供していた,EZ-SMARTやSmartHDD Pro は,ハードディスク事業を日立に譲渡した時点で提供をやめてしまったようです。

HDDの分解は絶対禁止



HDDがエラーを起こしてしまった。
中からも変な音がする。どうなっているのか確認したい。自分で修復してみたい。
ということでHDDを分解してしまおう,なんて絶対にしてはいけません。

通常,HDDは特殊なネジで止められていて簡単には開かないようにできていますが,中には,特殊ドライバを入手して開けてしまう人もいます。

完全に壊れたHDDを分解して中身を調べるのなら良いのですが,データを修復したいのならば,HDDは絶対に分解してはいけません。修復どころか,破壊してしまいます。
円盤(プラッター)が格納されている所(チャンバー)に外気が入った瞬間に,HDDは破壊されてしまったも同然です。
チャンバーの中は,ゴミが入らないように厳重に管理されています。ふたを開けて外気が入ってしまった瞬間に,外気に含まれる目に見えない微細なゴミがチャンバー内に入ってしまいます。タバコの煙の大きさの粒子でも,HDDにとっては巨大なゴミになります。

HDDは,絶対に分解してはいけません。

デフラグの危険性


HDDが不安定だ,エラーが出たりうまく起動しなかったりする。
原因はわからないが,デブラグをやってみたらデータの修復ができるのではないか。
そんなふうに考えて,デフラグを行うことは非常に危険なことです。

ネットの中には,エラーが出た時にはデフラグをしてみましょうなどと,とんでもない解説があったたりしますが,信じてはいけません。
被害を拡大させて取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。

デフラグは,エラーをチェックするツールではなくて,ファイルを整理して連続した空き領域を作り出すツールです。
HDDの中に分散されてしまったファイルをひとつずつ移動させていきますから,膨大なアクセスが発生しますし,数時間もかかることもあります。
エラーが発生しているような不安定なHDDに対してデフラグを行うことはデータを修復するところか,決定的に破壊してしまう可能性があります。

なぜならば,デフラグは,
・HDDを激しく動作させる
・動作途中でエラーが発生すると,デブラグが異常終了し,ファイルシステムが壊れる可能性がある。

以上の二つの理由で,HDDが不安定な場合には,決してデフラグを行ってはいけません。

デフラグをする時は,HDDにエラーが出ていない正常な時に行いましょう。
不安定な時に,どうしてもデフラグをしたいならば,その前にバックアップを取っておきましょう。
HDDは非常に精密な機械です。扱いを誤ると簡単に壊れてしまいます。

1.振動を与えない
データを記録した円盤(プラッタ)は高速で回転しています。
最近のHDDの主流は7200回転です。一秒に120回転もしています。
この円盤の上に,磁気ヘッドがわずか,10ナノメートル(10nm) すなわち,百万分の1ミリの間隔で浮いています。

有名な例え話として、磁気ヘッドがついているスライダーをジャンボジェット機の大きさとすると、スライダーは、ジャンボ機が地表1 mmを超高速(毎秒1000 km)で飛んでいると言われます。このような状態で動作しているHDDに振動を与えると,スライダーがプラッタに衝突するヘッドクラッシュ)可能性が高くなります。

2.空気の綺麗なところで動作させる

ゴミの多いところ,タバコの煙がもうもうとしているところ,ガスの充満しているところ,,そのような空気の悪いところで動作させけはいけません。ヘッドクラッシュのもとになります。
タバコの煙の粒子の大きさは,1μm 〜 200nm と言われてます。上の例えで言うと,タバコの粒子は,直径2センチ〜10センチの石に相当します。地上1ミリで飛んでいるところに,こんな大きな石があったらどうなるか明らかですね。もちろん,HDDの中にはゴミが入らないよう,フィルターがついていますが,100%ゴミを取り除けるとは限りません。


3.規定の温度,湿度を守る
HDDは,仕様で動作温度,動作湿度が規定されています。
この条件に反する使用方法を行うと,HDDの寿命が縮まります。


その他にも多くの注意事項があります。
このあたりの話は,FUJITSUのサイトに整理されてまとめられています。

http://jp.fujitsu.com/platform/storage/components/hdd/faq/usersguide/chapter3.html#temperature