トピックス


以下の記事は2007年8月頃のものです。
2016年1月現在でも、まだ日経の記事は残っています。
分かりやすい記事なので、リンクは残しておきます。


HDD修復を目指す方にとっては,HDDの構造を知っておくことが必要ですね。
日経パソコン PC online でハードディスクの解説記事をみつけました。
分かりやすく解説されているのでお薦めです。

ハードディスク(前編) ハードディスクの基本構造
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070802/278979/

ハードディスク(後編) ハードディスク性能を決める要素とは
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070802/278982/

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役にたつ記事が多いのでおすすめです。

HDDのケーブル


以下の記事は2008年3月頃のものです。
SATAが主流の現在では、状況は大きく異なっていると思われますが、比較参照用に記事は残しておきます。


HDDを接続するケーブルには様々な種類があります。
外見からはわからなくても実はその性能が大きく違うことがあります。

・USBケーブル
外付けのHDDを接続する場合には,ほとんどの場合USBケーブルが使用されます。
ここで気をつけないといけないのは,USBケーブルにも種類あるということです。
USB1.1対応とUSB2.0対応の2種類です。
現在では市販されているほとんどのケーブルがUSB2.0対応ですが,昔使用していた古い機器に付属していたケーブルを使用したりすると,一応動作はしますが,転送速度が落ちてしまい,外付けのHDDにあるファイルをアクセスすると非常に遅いという現象が発生します。
外付けHDDを接続するケーブルは,USB2.0対応であることを確認しましょう。

・ATAケーブル
内蔵のATA(IDE)のHDDはマザーボードとATAケーブルで接続されています。
このケーブルには,発展の経緯から,以下の種類のケーブルが存在します。

・Ultra ATA/33(40芯)
・Ultra ATA/66(80芯)
・Ultra ATA/100(80芯)
・Ultra ATA/133(80芯)
 


これらのケーブルは,コネクタの形状は同じで,物理的には差し替えがききます。
また,ATA133のHDDにATA33のケーブルを接続したとしても,自動的にケーブルの種類が判別され,転送速度を遅くして動作することになっています。

しかし,私の経験では,そのような使い方でトラブルが発生したこともあります。
たとえば,ATA33用のケーブルをATA 133のHDDに接続した場合,HDDが認識されたり,されなかったりという現象に遭遇したことがあります。接続するHDDによっても動作したりしなかったりすることもありました。原因が分かるまでに相当の時間を費やしたことがあります。
ケーブルの判定がうまく動作せず,高速のまま動作してしまったのでしょう。ケーブルを伝搬する信号の周波数が高くなると,ケーブルの絶縁体の種類やコネクタとの接続部の工作精度等により,信号が変化してしまうためです。

そういうことで,無駄な時間を費やすことのないよう,HDDにはその仕様に合ったケーブルを使うようにしましょう。特に,HDDの交換をしたりする場合にはケーブルにも注意を払いましょう。

その他に,SCSIケーブルやFirewireケーブルやSATAケーブル等もありますが,これらk ケーブルでは今のところトラブルは出にくいと思います
磁化の強さ

デジタル媒体の磁化の強さはどの位のものなのでしょうか?
以前、unformatのフロッピーディスクをPCにセットした時のPCの動作を調べようとした時に,unformatのフロッピーディスクが手元になかったので,format済のフロッピーディスクを,磁気ヘッドイレイザーで消磁しようとしました。

磁気ヘッドイレイザーとは,カセットデッキのヘッドが磁化されてしまうと音質の低下を招くため,ヘッドを消磁する機械です。原理は簡単で,交流を使った電気磁石です。
AC電源の50Hz(関西は60Hz)の交流で電磁石を駆動して,交流の磁場を作り出し,磁化されたヘッドに近づけて消磁するものです。

フロッピーディスクの窓の部分を手で開き,イレイザーの先端でフロッピーディスクの面をまんべんなくなぞってみました。
そして,パソコンにフロッピーディスクを入れてみたところ....
なんと,全く問題なく読めるのですね。磁気ヘッドイレイザーでは,フロッピーディスクは消磁できなかったのです。
デジタルの媒体は,かなり強く磁化されているようです。
もっとも,フロッピーディスクの場合は,ヘッドが媒体に接触していますから,HDDの場合と比べて磁化の強度は強いと思いますが。

世の中には,HDDに強力な磁気をかけて,データを消す装置がありますが,いったいどの位の磁気をかけるとデータを消すことができるのが,数値的に知りたいものです。
ずいぶんと強く磁化されているんですね。

追伸
その後、調査しているとHDDの消磁をする装置を見つけました。
そこで、磁化の強さのオーダーが分かりました。
HDDの消磁
大量にパソコンなどを廃棄する場合,HDDのデータの消去が問題になります。
データ消去のツールなどで消す方法はありますが,かなり時間もかかります。
色々と探してると,強力な磁力でHDDのデータを消すツールがありました。

ハード   ディスククラッシャー

「ハードディスク・クラッシャー」と名付けられたこのツールは,HDDに6000ガウス(=0.6テスラ)という強力な磁界をかけてデータを消すようです。
6000ガウスと言われてもどの位の強さか想像がつきませんが,医療用のMRIで使われる磁場の強さが,0.5〜2テスラ(=5000〜20000ガウス)ということですから,相当な強さですね。
MRIでは磁界を作り出すために,超伝導磁石を使っているということですから,相当の電流を流しているということですね。

HDDの消磁にMRIのようなサイズの機械では実用になりませんね。
この機械の場合には,瞬間的で良いので,MRIほど大きな装置にはならないようです。
説明を読むと,電力をチャージして一瞬で放出させ,強力な電磁石を動作させる構造と推測されます。
HDDのプラッター上のデータを消すのはかなり大変なのですね。
ちなみにこの機械は,30万円くらいするようです。

大量のパソコンを使用する企業では、パソコンの廃棄の際に内部情報の漏洩を防ぐために使うのなら、30万円は高くないかもしれませんね。

でも、個人で買える機械ではありませんね。
面倒でも,HDDのプラッターが壊れるようにハンマーでたたくのが一番の安上がりですね。
くれぐれも怪我には気をつけ下さい。


こういう話を聞くと、HDDをMRIの中に入れたらどうなるのか興味が沸いてきます(^^;)
でも、強力な磁場のせいでHDDが高速で飛び出してくる可能性も考えられるので、怖いですよね。
MRIには、金属探知機が備えつけらているかもしれませんね。


2TBの壁

別のトピックスで,最新のHDDが2TBの容量にまで達したことを書きましたが,これに伴い新たな問題が出てきています。
それが,2TBの壁です。

32ビット版のWindows XP/Vistaでは,2TBを超えるHDDは扱えません。
現在,発売されている2TBのHDDは,正確に言えば2TBより少し小さいので,問題は発生していませんが,来年あたりに発売されると言われている2TBを超える容量のもの(恐らく2.5TB前後)が出現すると問題が出てくることになると思われます。

予想される問題は,HDDが認識できないとか,OSがブートできないとか,色々あると思われます。問題の発生は,マザーボードによっても異なることと思われます。

これは,OSの基本構成にかかわることですので,仕方のないこととも言えます。
当面の回避策は,色々と考えられるでしょうが,根本的には,64ビット版のOSに移行するしかないと思われます。
マイクロソフトも,それに備えて,64ビット版を開発したのでしょうし。

実メモリの方でも,同じような問題が既に発生しています。
現在のOSでは実メモリは,構成によって異なりますが,約3GBまでしか使えなくなっており,4GBのメモリを実装したパソコンでは,3GB以上の部分のメモリはキャッシュなどとして使うしか手がありません。

ハードウェアの進歩に,ソフトウェアがついていけてないのです。
これらの問題を,根本的に解決するには,64ビット版のOSに移行するしか手はないようです。
とは,言ってもOSを乗り換えるには,かなりの労力と費用が必要です。
64ビット版のアプリケーションを新規に買う破目になりますし,OSの仕様も異なるでしょう。新たなバグも出てくるでしょう。
特に,大きな企業で何万台もパソコンを使っているような場合には,OSの変更で,莫大なお金が必要になってくるのに,何も見返りがないのですから,そう簡単には,移行できないと思います。
パソコンの世界にも大きな転機が来ているようです。

でも,2TBの容量なんて,個人では必要がないような気がしますが。
バックアップも大変ですしね。

2TBのHDDは,HDDレコーダに採用して欲しいですね。

HDD価格動向(2009/9/23)

2TBのHDDが2万円を割ってきました。

日立    HDS722020ALA330 ¥21,950
Seagate   ST32000542AS  ¥19,969
WesternDigital WD20EADS  ¥11,480

1TBのHDDはもはや7千円台になってしまいました。
約1年前には,約1万円でしたから,1年で70%の価格になったことになります。

フラッシュメモリを使ったSSD(Solid State Disk)も,1年前は,128GBが最大容量でしたが,今では256GBと倍増しています。

SSDの課題は,信頼性ですね。
可動部分がないだけ,振動などには強いのでしょうが,使用されているフラッシュメモリの信頼性がどの位あるのか,データ化けの可能性などが,まだはっきりしていないように思われます。






HDDに関する凄いサイト

HDDの修復について色々と調べていると凄いサイトに出会います。
日本語のサイトには,詳しいことを書いたサイトは少ないのですが,海外には専門家も顔負けのサイトがありますね。
そんなサイトの中で、HDDについての専門的サイトを見つけました。

HDDGURU.COM — Everything About Hard Disk Drives

濃い情報が満載です。
英語の得意な方は,読んでみると面白いかもしれません。

日本では知られていない,データ修復に役立つ便利な無料のツールなども紹介されています。これについては,実際に使用して検証した後に,紹介してみたいと思います。
また,HDDの中のデータを消去するというインチキ製品についての記事とか,なかなか面白いです。

技術的な記事に関しては,HDDを改造して複数のヘッドからデータを同時に読み出すことに挑戦しようとしている人の記事(無理だとのコメントがついていましたが)とか,HDDを分解して故障したヘッドを交換するなどというプロでしかできないような修理の例もありました。
上級者の方がHDDの修復を自分で試みようとするような場合には参考になるかもしれません。

HDDに限らず,海外のサイトには,凄いサイトが多いですね。。
BIOSのメッセージ

以下の記事は2008年3月頃のものです。
BIOSもバージョンアップしていますし、SATAが主流の現在では、状況は大きく異なっていると思われますが、比較参照用に記事は残しておきます。



HDD修復が必要となるようなケースでは,電源を投入した時に,BIOSからのメッセージが出されることも多いと思われます。

HDDのエラーが発生した時に,一番早くそれを発見するのはBIOSですが,その時に出されるメッセージはBIOS のメーカーによって,微妙に異なります。
例えば,HDDが本当に認識できなかった場合を,HDDの電源ケーブルを抜くことでシミュレートしてテストしてみました。

ブートの優先度の設定は,すべての場合で,FD → CD → HDDの順にしてあります。
FDとCDには,媒体はセットしてありません。

その結果,それぞれのBIOSの メッセージは以下のようになりました。

---------------
Phoenix BIOS( Version 不明)
→Operating system not found

AMI BIOS(Version 02.54)
→Reboot and Select proper Boot device
 or Insert Boot Media in selected Boot device and press a key

Award BIOS(Version 不明)
→Boot from CD:
 DISK BOOT FAILURE, INSERT SYSTEM DISK AND PRESS ENTER
----------------

BIOSのメーカーによって,随分とメーセージが異なります。
同じメーカーであってもBIOSのバージョンによって,メッセージが異なる可能性もありますので,常にこのような結果になる保証はありませんが。

国内メーカーのパソコンでは,PhoenixのBIOSを使っているところが多いようです。
このあたりのメッセージは,BIOSで統一して欲しいものです。
HDD価格動向(2008/2/7)

半年ぶりに,HDDの価格を調べてみました。
データは,AKIBA PC Hotlineによります。

前回の秋葉原の店頭での再安値と,今回の値段を比べてみました。
やはり,大容量のHDDの価格の下落率が大きいですね。
250〜500GBでは,モデルが入れ代わっています。
160GBクラスでは,もう新たな開発をしていないことが読み取れます。

                             2007/8/9   2008/2/7

1TB  日立 HUA721010KLA330 (1TB)    ¥49,800  ¥33,568

500GB 日立 HDT725050VLA360 (500GB) ¥11,879   -
500GB 日立 HDP725050GLA360 (500GB)   -     ¥10,780

250GB 日立 HDT725025VLA380 (250GB) ¥7,245    -
250GB 日立 HDP725025GLA380 (250GB)    -    ¥ 6,910

160GB 日立 HDS721616PLA380 (160GB) ¥ 5,980   ¥5,380


日立以外のメーカーでは,ウェスタンデジタルの1TBのモデルの価格が2万円台になりました。
1TBモデルの普及が加速しそうです。

1TB  WD WD10EACS (1TB)   ¥24,800

相変わらず,HDDの技術の進歩は凄いですね。
こんなに大容量のHDDのバックアップは,HDD以外にはなくなりますね。
HDDがますます高密度化

現行HDDの5倍の容量に相当する1平方インチ当たり1テラビットの記録密度を持つHDDができるようになるそうです。
既に,1TBのHDDは市販されていますから,その5倍が可能になるとすると,5TBのHDDが可能になる訳です。
かなり以前のことですが,MicrosoftがPCサーバの宣伝のために,1TBの大規模サーバのデモンストレーションをしていたことがありますが,それだけの規模のデータベースが,現在では,たった1台のHDD実現できる訳です。隔世の感があります。

HDDの記録密度は,かなり昔から,年あたり60%の割合で伸びて行くと言われていましたが,その勢いは,まだまだ続くのでしょうか?
HDDの大容量化は留まることを知りませんね。

しかし,HDDの大容量によって,新たな問題も発生しています。
それは,バックアップの問題です。
これだけ,大容量のHDDをバックアップできる,適切な媒体がないことです。

最新のブルーレイディスクでも25GBの容量ですから,1TBのHDDをバックアップするには,40枚も必要となります。媒体の交換も大変ですし,バックアップにかかる時間も相当なものです。個人で,バックアップ作業ができるレベルではありません。
こんな大容量のHDDをバックアップする媒体は,HDD以外にはなくなりそうです。。