HDDに関する用語

バッドセクターとは

HDDは512バイトのセクターの集まりで構成されています。
バッドセクターとは,このセクターのうち,異常を起こして,読み書きが正常にできなくなったセクターのことを言います。

ファイルの読み書きの最中に,セクターでエラーが発生すると,その処理自身はエラーとなってしまいますが,この時点では,バッドセクターとマークが付けられる訳ではありません。バッドセクターと印が付けられるのは,CHKDSKと呼ばれるプログラムです。

パソコンの電源コードが抜けたような場合,システムは異常終了扱いとなり,再度電源を入れた場合に,ファイルシステムが正常かどうかのチェックが自動的に行われますが,この時に実行されるのが,CHKDSKプログラムです。

CHKDSKプログラムは,ファイルシステムが正常であるかどうかを確認し,異常があれば,それを修正するプログラムですが,その時に同時にセクターをチェックし,エラーがあれば,ファイルシステムの管理簿にバットセクターであるという印をつけて,システムから使用されないようにします。このようにして,エラーの再発を防いでいます。

しかしこのバッドセクターが,頻発するようであると,HDDに何かの異常が発生している可能性が高くバックアップをしっかりと取って早めに交換する方が良いと思われます。

BIOSとは

BIOSとは,Basic Input Output Systemの略で,IBM互換パソコンには,最初から必ず組み込まれているプログラムです。
このプログラムは,マザーボード上のROM(Read Only Memory)に,書き込まれており,パソコンの電源を入れた時に,このBIOSに制御が渡され,OSが読み込まれます。

BIOSには,大きく分けて3つの働きがあります。
(1)入出力装置の入力(Input)と出力(Output)の基本機能を行う
(2)パソコンを構成する機器(入出力装置やメモリ)の制御や管理
(3)OSを起動する

MS-DOSの時代には,(1)の機能が大きな比重を占めていましたが,Windowsになってからは,その機能はOSの中に組み込まれてしまい,ほとんど活躍の場がなくなりました。
しかし,(2)や(3)の機能は,パソコンにとって必須の機能であり,BIOSが不要になった訳ではありません。

BIOSのメーカーは,世界中に何社かあり,パソコンのメーカーは,BIOSメーカーから,BIOSを買ってパソコンに搭載しています。BIOSのメーカーは異なっても,OSとのインターフェイスは,どのメーカーのものであっても同じです。
日本の国内の大手パソコンメーカーでは,下記の3つのどれかのBIOSを使用しているようです。
・Pheonix
・Award
・AMI (現在では,Pheonix社の傘下)

BIOSは,パソコンの電源を入れてから初めてHDDにアクセスするプログラムであるため,HDDに異常を発見する機会が多くなります。その時には,メッセージが出されますが,BIOSのメーカーによって,出されるメッセージは微妙に異なります。

BIOSは,パソコンの電源を入れた直後に,特定のキーを押すことによって呼び出されます。
例えば,Pheonix社のBIOSの場合は,F2キーです。これは,BIOSのメーカーによって異なりますので,マニュアルを参照して下さい。

尚,BIOSは設定を誤ると,OSを起動できなくなったりしますので,内容の理解できない人は触らないようにしましょう。

RAID                  

RAIDとは、Redundant Arrays of Inexpensive (またはIndependent) Disksの略で、複数のHDDを組み合わせて高い信頼性を得る記憶システムです。RAIDには、RAID 0〜6迄の様々な方法があります。
マザーボードにこの機能を組み込んだものもあります。

シンプルなRAID 1を例にとってお話をします。
RAID 1は複数台のハードディスクに、同時に同じ内容を書き込む方式です。
通常は2台のHDDに同じ内容が書き込まれます。こうすることで、一台のHDDが故障しても、もう1台のHDDからデータが読み込むことができますからデータが安全に保存される訳です。

この例では、2台のHDDを使って高い信頼性を得ていますが、同じデータ量を保存するのに、2倍の台数のHDDが必要になります。経済的には効率的とは言えません。
書き込みや読み込みの速度、信頼性の考え方により多くの方法があります。それらが、RAID1〜6の各方式です。

ここで、注意して欲しいのはRAIDさえ装備していれば、データは完全に破壊から保護されるという誤解です。RAIDはHDDの物理的故障からは、データを保護してくれますが、OSのバグやアプリケーションのバグ、はたまた操作ミスによるHDDデータの破壊からは、守ってくれません。
例えば、システムファイルの破壊などは、その原因の多くはHDDの物理的故障ではなく、ソフト的なものです。OS自身が、間違ったデータを書き込めば、間違ったデータがそのまま保存されます。RAIDには、書き込みを指示された操作が正しいかどうか、判断する機能はありません。
HDDの物理的な故障に対してのみ、有効なことを理解しましょう。